2015年12月21日月曜日

ThinApp × App Volumes × UEM のユースケースと、App Volumes,UEM の面白い使い方

vExperts Advent Calendar の21日目、担当回の最終日です!

今回は、ThinApp と App Volumes, そして UEM の組み合わせ について、少し掘り下げます。
また、App Volumes の面白い使い方について、ご紹介します。
ThinApp はアプリケーションの仮想化で、ThinApp Packager によってアプリケーションを一つの実行ファイルにすることで、可搬性の向上や DLL 等の競合を排除することができます。

この仕組みと、App Volumes の組み合わせももちろん可能です。

1, ThinApp & App Volumes

ThinApp の利点(可搬性の向上や DLL 等の競合排除)を生かしながら、View におけるアプリケーションのライフサイクル管理に利便性(ADの要素による管理・ネットワーク共有不要)をもたらす。

App Volumes を利用するには AppStack を作成しますが、AppStack の作成にはインストール作業が不可欠であるため、AppStack の作成する環境へインストールすることができなければ、AppStack の作成を行うことができません。

ThinApp を使用することによりインストール作業の手間も省ける上、ThinApp の利点でを享受することができます。

また、View 環境において ThinApped アプリケーションを利用する場合、アプリケーションの利用用途に応じて デスクトッププール を作成する必要がありますが、App Volumes によって AD の要素で割り当てが行えるようになるため、デスクトッププール の管理する数を減らして、View 側はシンプルに運用できるようになります。

付け加えて、ThinApp を展開する場合はネットワークを経由する必要がありますが、AppStack に格納されることにより、データストアからの直接参照になるため、起動スピードの向上にもつながり、一石二鳥です!
AppStack 割り当て画面


2, ThinApp & UEM

ThinApp における Sandbox を UEM で管理することにより、アプリペーションの設定管理が容易になる。

本家Blog にある記事を参考にしたものです。

ThinApp には Sandbox という仕組みによって、ファイル・レジストリの更新は Sandbox へ行われるようになっていますが、これを Sandbox へ行わずにファイル・レジストリの更新を実際の環境へ行い、それらを UEM によって ファイル・レジストリ を管理行います。

管理が行われるようになると、UEM の SelfSupport という、ユーザの操作によってアプリケーションの設定を戻す仕組みを利用できるようになるため、より、ThinApp が利用しやすい環境を提供できるようになります。

Self-Support による設定のリストア

3, ThinApp & App Volumes & UEM

ThinApp & App Volumes によってアプリケーションを配布後、UEM によってそのアプリケーションの設定を管理する。

1 と 2 の組み合わせです。
AppStack に ThinApped アプリケーション を格納、UEM によってIPレンジに応じて必要な設定を強制したり、ショートカットを作成したり…いろいろと柔軟に実現することが可能になります。

4, App Volumes & UEM の面白い使い方

昨今、狙われる脆弱性の一つとして、Flash Player があります。
AppStack の仕組みを利用して Flash Player を割り当てておき、AppStack を差し替えることで、Flash Player のアップデートを速やかに適用することが可能です。

また、UEM としては、アプリケーションの設定範囲内 でのみの対応となります。
UEM ではアプリケーション起動のタイミングで設定を強制することが可能です。(Direct Flex)
ログインスクリプトでは全社に即時適用することが間に合わないような設定を UEM を通じて設定の強制を行うことで、アプリケーションの設定で行える範囲の脆弱性の対応を行うことが可能です。

4回に渡って現状の VMware における、EUC 分野の製品、App Volumes、UEM についての説明を行ってきました。
これらによって、少しでも EUC に対する理解が深まったようであれば幸いです。

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