2015年12月14日月曜日

VMware User Environment Manager について (少し深く)

vExperts Advent Calendar の3回目です! とうとう折り返しです!

今回は、以前に説明した UEM について、少し掘り下げます。
前回の説明では、『デバイスや場所を問わず、エンド ユーザーごとにカスタマイズ可能なエンタープライズ クラスのユーザー管理を実現できるようになります。』という内容でした。
今回は、動作概要とコンポーネント等について説明します。(図は VMware EUC Blog および Youtube の VMworld より)

0, UEM の動作概要

UEM は、Windows における アプリケーションや 個人に関わる設定 を、管理者の設定によって “管理” します。

あくまでも、“管理” だけですので、既存の Windows のプロファイルとは異なるため、Persona Management とは違うものです。

また、管理された設定は アプリケーション起動時のリアルタイム ないし ログオン・ログオフのタイミング で バックアップ・リストア 可能となり、既存の Windows の プロファイル に含まれているレジストリやファイルで担っている設定の “保持・適用” を容易に行えるようになります。

従って、設定ではない デスクトップ・マイドキュメント のようなユーザのデータ領域部分は、フォルダリダイレクトで対応する必要があります。

設定の “保持・適用” に関しては、ADの要素 や IPアドレスの範囲、レジストリの有無やファイルバージョン 等といった条件を追加して動作を決定させることができるため、例えば、営業グループのユーザで、192.168.10.0 のレンジ でログインしている場合は、ABC というネットワークプリンタを割り当てたり、Excel を起動したときに ZYX という 共有フォルダを割り当てる 等、より多くの環境で柔軟に設定を “保持・適用”  できるようになります。

1, Flex Engine

App Volumes の App Volumes Agent のように、UEM で管理する仮想マシンにインストールします。

Flex Engine は、Windows のサービスとグループポリシーのクライアントサイド拡張 の Group Policy Scripts Processing で動作するアプリケーション によって構成されています。

App Volumes と異なる点は、UEM は クライアントOSでもサーバOSでも、物理マシンでも動作を問わない点です。これは、設定の “保持・適用” だけを行っているUEMの特徴です。

2, Central Config Share / User Profile Share

UEMの 設定の “保持” はすべて zip ファイルだけで行われているため、データベースは不要で、共有フォルダ が必要となります。
それぞれの共有フォルダの用途は以下の通りです。
Central Config Share 
【どのような 設定の “保持・適用” を行なうか 】の 設定 が格納
User Profile Share
ユーザ毎に【Central Config Share の設定 】によって “保持” された設定が格納

3, Active Directory

UEM の製品コンポーネントではありませんが、FlexEngine の動作を設定するために、Active Directory による グループポリシー が必須となります。

4, Management Console

【Central Config Share に格納する設定】 を管理するコンソールです。
Management Console 起動後のイメージ

5, Application Profiler

【Central Config Share に格納する設定】 を作成するために利用できるアプリケーションで、Application Profiler から アプリケーション を起動して操作した結果をダイレクトに 【Central Config Share に格納する設定】 として利用できるようになります。
ThinApp のパッケージ作成 や、AppStack の作成と似ていますね。
Application Profiler を利用した 設定の作成

App Volumes と比べて構成要素が異なりますが、インストールする環境に左右されないということもあり、UEM は、 Horizon View 環境だけではなく、Citrix ももちろん、物理マシンに渡って適用することが可能です。

ここまでご紹介した UEM により、 2015/4/23 に登場した、VMware Horizon Application Management Bundle の狙いを紐解けるのではないかなと思います。

以上、VMware User Environment Manager の少し深いご紹介でした。
次回は ThinApp × App Volumes  × UEM のユースケースと、App Volumes の面白い使い方についてご説明する予定です。

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